活動報告
「徳富ダム事業費膨張」報道を受けて現場を視察[空知管内]2004年10月29日
新十津川町中心部から車で約40分ほどで工事中である徳富(とっぷ)ダムの現場がある。そこは工事着工以前は獣道しかない秘境の地であったに違いない。私は平成14年8月13日 、着工安全祈願祭に現場入りして以来の訪問である。
地元の陳情が実を結ぶ
今回訪れたのは10月22日、突然北海道新聞朝刊のトップ記事に「事業費120億円膨張」と大見出しで報道され、道費負担もあるため現在の状況を関係者から説明を受け、現場を視察したのである。
このダムは私が平成3年、議員になる以前から新十津川、浦臼、雨竜の各町から関係省庁に対し要望していた計画である。当初は事務経費程度の数百万円からスタートし、その後調査費が継続的に予算化され、予備設計、実施設計がかなりの年数を要し着工となった。特に平成年度に入ってから本格的着工に向け予算化が進み、平成14年度にやっと本体着工。陳情を続けていた関係者の喜びと感激していた姿を今でも思い出す。
新十津川町の飲料水は、水利権所有の土地改良区が管理する留久ダムから農業用水を無料で西空知水道企業団が譲り受け、町民へ供給している。日照が続くと3町の飲料水が不足するほか、本来の農業用水を十分供給できない事態が起こったこともあり、ダムの完成が待たれているのである。
事業費増加は止むを得ない面も
計画(昭和62年)から着工(平成14年)まで時間が経過しすぎていることが、当初工事費420億円で予定されていたものが道負担も増加し、事業費で120億円膨張したのである。
一部ダム建設に理解を示さない関係者から計画が「ずさん過ぎる」と指摘された。しかし計画された20年前は工事契約の際に消費税も積算されてなく、今日まで物価も上昇している事実や現場の厳しい気象、そして地理的条件などで事業費が増加したのは当然ではないか。
また、新聞によるとコンサルタント業者が「当初計画で必要経費をきちんと算出していなかったことはずさんと言わざるを得ない」と指摘していると記されているが、どこの業者なのか明確にしてもらいたいものだ。もしずさんだとするならば、自らの仲間の技術を否定するものであり、具体的に公表すべきである。
事業の目的を正しく評価すべき
公共事業に対する偏見が現代社会に横行し、マスコミは「公共事業悪なり」のような風潮を作り出し、まじめに仕事をしている人へ肩身の狭い思いをさせている。
今日もまた風水害や地震災害の報道がされている。どんな時代でも災害はいつ到来するか予測できない。常に社会資本の充実は必要だ。事業費は自然増でもあり、具体的調査もせずダム不必要とは言えず、徳富ダムの必要性は変わらない。道の公共事業評価特別委員会が開催され、賛否両論があったが、付帯意見を付け事業の継続を認めた。
本体工事は33%完成
西松・地崎・勝村特定建設工事共同企業体・徳富ダム出張所所長、現場責任者の宮崎文秀氏から説明を受けた。現在本体工事の進ちょく率は33%となっている。すでに現流を迂回させる 延長約390mの仮排水路トンネルは完成。現在は覆工コンクリートの施工やダム基礎掘削も進み、それに伴うコンクリート用骨材プラントや濁水処理施設もフル運転中である。
現場ではコンクリートミキサー車やダンプ、トラック、その他の重機が所狭しと慌しく作業している。現場には職員24名、作業員100名が稼働中であり、新十津川・吉野地区に管理棟、宿舎が建設され、現場と往復している。
地域が一体となった工事に
地元雇用や地元建設会社の参画、そして地元商工会から物品購入などダム建設現場による経済効果は十分ある。また、吉野地区は過疎地帯であるが、住民との交流も積極的に行い、地区で開催しているスポーツ大会やその他の行事へも社員が参加し、まさに地区・地域が一体となった工事を目指していると所長は語ってくれた。
水は人間社会の命であり、食物とともに生命維持に不可欠なものである。新十津川、月形、雨竜、浦臼各町へ少しでも早く水道水の長期安定的確保、水不足解消のため、さらにダム周辺の環境整備が進み、完成後は観光資源としても活用されることが期待される徳富ダムの完成が待たれている。



